T.F.W interview 7
Rethink Fashion Waseda/早稲田大学 五十嵐文桜さん
Rethink Fashion Waseda(通称:ReF)は「サステナブルファッションをライフスタイルに」をモットーに活動している早稲田大学の学生団体。生活の一部であるファッションを通して、持続可能な社会に近づくために、今できることを考え、インスタグラムを中心に情報発信をしている。今回は代表の五十嵐文桜様にインタビューさせて頂きました。
インタビュアー:菅野充/THAT’S FASHION WEEKENDプロデューサー
ファッションに興味をもったきっかけ
菅野:本日はお時間ありがとうございます!ご出身はどちらですか?
五十嵐:出身は少し複雑なのですが、日本と中国のハーフなので0歳から10歳は上海で、それ以降は東京です。
菅野:0歳から10歳は自分の価値観が作られる時かなと思いますが、上海で生活していた事によって作られたと感じる価値観はありますか?
五十嵐:上海でというよりは日本に来た時に感じたのは、日中の経済格差でした。中国は1年単位で変化していくので、今となってはテクノロジーなんかもかなり進んでいますが、私が住んでいた頃というのはまだまだインフラが整っていない状態でした。
菅野:面白いバックグラウンドをお持ちですね。では、ファッションに関わろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?アパレルでアルバイトをしたり、ファッションの専門学校に通う人達って、勉強が嫌いだったり苦手だったりというイメージもあるかなと。勉強が出来る人達がファッションをやっていきたいと思うのは、どうしてなんだろうと興味があります。
五十嵐:実際私も大学受験に取り組んでいる時に、ファッションスクールに行きたいなとは思っていたのですが、4大卒の方が将来の選択肢が広がると思ったので大学へ進みました。自分がファッションを好きになったきっかけは、本能的に可愛い物に飛び込んでしまう性格もありますし、高校の時に語学留学でニューヨークへ行く事があったので、ニューヨークの多彩なファッションに惹かれた部分もあります。
菅野:すごいですね、グローバルな経験をされていて。可愛い物や、おしゃれな物、最先端な物に惹かれるのは、勉強は出来つつも芸術的な感性をお持ちだからなんでしょうね
Rethink Fashion Waseda/早稲田大学 五十嵐文桜さん
服を洗うと水が黒くなったことに疑問を感じた
菅野:Rethink Fashion Wasedaはどういった団体になりますか?
五十嵐:本団体は、ファッションを通してより多くの方に今の消費システムを「Rethink」してもらいたいという思いや、そこから行動に移してもらう所までを目標にして活動をしています。本団体を友人と立ち上げたのが昨年の5月で、きっかけはたくさんありますが、一番は環境問題です。地球っていつまで存続し続けるのかなという大きな疑問を抱いていたのもありますし、具体的な体験としては、ファストファッションの洋服を洗った時に黒い色が出て来てしまったりですとか、数回洗うだけで着られない状態になったりする事もあり…。そういった点で、ファッション界に疑問を感じたのがきっかけで、ファッションと環境の課題に向き合っていきたいなと思いました。
菅野:なるほど。確かに洋服を洗って黒い色が出てくるといった経験をすると、何かしら現状を変えていかなくてはという感情が湧いてくるかもしれませんよね。
団体の立ち上げからやられたという事ですが、学生団体のみなさんそうですけど、その行動力がすごいと思います。団体の具体的な活動としては、サステナブルな活動をしていくという事になりますか?
五十嵐:そうですね、Instagramを通じてのコンテンツ配信だったり、最近ではYouTube配信も始めました。YouTubeでは、私達早稲田大学の学生が実際に抱いているファッションへの考えを発信しています。ですが、あえてサステナビリティに注力したコンテンツにはしていません。理由としては、視聴者のパイが狭まってしまうからです。YouTubeは、たくさんの学生に見てもらえるようなコンテンツ作りをしています。
菅野:そうですよね、まず多くの人に認知してもらって、そこから伝えたい事を伝えていくというのは大事な方法かなと思います。入口はわかりやすくしないと興味持ってもらえないですよね。興味を持ってもらった上で伝えたいことを伝えるとなると入口と出口は変わって来ますからね。まず、広いパイを取りにいって、その中で伝えたい事をちゃんと伝えるという活動は必須になって来ますよね。
まだまだ団体としては新しいと思いますが、今後はどういった活動をやっていきたいと考えていますか?
五十嵐:団体をスタートしたのがコロナ禍だったのもあり、ずっとオンラインでMTGなどを行ってきましたから、今後はオフラインでのイベントなどが出来れば良いなと思っています。先日、古着のフリーマーケットのような形でポップアップを開催しましたが、今後もオフラインで古着の交換会の様な物が出来たら良いなと思います。
THAT’S FASHION WEEKENDについて
菅野:今回のTHAT’S FASHION WEEKENDなど、僕ら大人が開催しているイベントに対して、学生の方々はどういった視点で見ているのか気になっていて、五十嵐さんが感じている事や、思い、アドバイス等何か頂けますか?
五十嵐:今のファッションの流れですと、先にたくさん生産してコストを下げて、でも結局いっぱい余ってしまうという課題がある中で、余剰在庫を回していける本イベントのような機会があるのはすごく面白そうだなと思います。また、サステナファッションを勉強していく中で、余剰在庫が70%くらい燃やされてしまうという事実を知ったので、それをしっかりと次の人へ渡す事が出来るというのは、素晴らしい取り組みだと思いました。
菅野:ありがとうございます。これからも頑張ります。笑
made in Japanの仕事がしたい(これからの展望)
菅野:では最後に、五十嵐さんは将来ファッション業界で活躍したいと思いますか?
五十嵐:難しいご質問ですね…。ずっとファッションが好きだったので、いずれ自分のブランドを作ったりなど、ファッション関係のお仕事が出来ればと思ってはいました。一度アパレル企業にインターンシップで行かせて頂いた上での感想は、一度他のフィールドで仕事をした後、いつか憧れだったファッション業界にいけたらなと。私が働かせて頂いた企業は外資だったので、他の国に主導権があり、日本では決められたこと実行するのみという印象を受けました。そこで思ったのが、made in Japanのお仕事ができればということと、まずは広く他業界で経験を積みたいと思います。
菅野:なるほど。アパレルと一言に言っても、企業によってやっている事も考えている事も違いますしね。たまたま自分が触れた企業の印象というのは強く残るかもしれませんが、僕も色々なアパレル企業と関わりがあって、社員さんが生き生きと働かれている会社もあれば、みんなギャルなの?と思える様な楽しそうな雰囲気の会社もあったりします。自分に合った職場を見つけられると良いですよね。
ありがとうございました!引き続きよろしくお願い致します!
Rethink Fashion Waseda公式サイト
https://refwaseda.wixsite.com/website
THAT’S FASHION WEEKEND
https://thatsfashionweekend.com
