T.F.W interview 6
慶應義塾大学/Keio Fashion Creator 岩瀬ひよりさん
Keio Fashion Creatorは、2002年に慶應義塾大学の「ファッションビジネス研究会」から独立する形で設立。2009年からESMODJAPONと提携した授業を開始し、2010年から毎年ショーを開催している。2012年にインカレ化し、今年度は合計で120名程度の部員が所属。社会に対する問いかけや主張を「服」や「ファッションショー」を通じて表現する。
今回は岩瀬ひよりさんにインタビューさせて頂きました。
インタビュアー:菅野充/THAT’S FASHION WEEKENDプロデューサー
ファッションに興味をもったきっかけ
菅野:岩瀬さんはおしとやかな印象がありますよね。そういった雰囲気は、幼い頃からですか?出身地は?
岩瀬:出身地は神奈川県の横浜です。そうですね、子どもの頃からあまり強く出るタイプではなかったと思います。だからこそ、戦闘力まではいかなくても、「外側を守る」といった意味でファッションに興味を持ちました。あまり言葉や行動で示せない分、外見だけは良くしておこうみたいな感じですかね。服で自分の意志を表現するといいますか、「私ってこういう人間だよ」というのをファッションで伝える事が出来ると思うので。
菅野:こちらのアイテムはどちらで購入されたんですか?
岩瀬:先ほどお話しに出たところで恐縮ですが、某ファストファッションブランドです…。
菅野:へえ~!おしゃれですね!やっぱりおしゃれだと、ハイブランドじゃなくても全然いけちゃうんですね。
岩瀬:学生ですとどうしても、ファストファッションに流れてしまうかなとは思います。
菅野:ファッションを捉えたきっかけは、自分の内面的な部分からという事だったのですが、何歳くらいの時にファッションに興味を持ち始めましたか?
岩瀬:明確に自分はファッションが好きなんだと思ったのは高校生の時で、私が通っていた高校が服装に関して自由な学校だったんです。トップスの指定が無かったので、みんなスウェットやポロシャツなど自由に好きな物を着ていました。髪も染めてもOKだったりと、そういった環境に心地良さを感じながら、人と同じ事をしてきませんでした。そのせいあってか他人と同じではなく、おしゃれで格好良い存在になりたいという意識が芽生えました。
慶應義塾大学/Keio Fashion Creator 岩瀬ひよりさん
オンラインで配信したショーのおかげで所属人数増
菅野:次は、団体についてお伺いしたいと思います。今、団体に所属している人数は?
岩瀬:今年度が180名程になります。学年別の内訳だと、新入生がかなりの人数を占めているので、上級生の人数が少な目ではありますが、規模感が大きくはなってきたので、それに合わせて活動を充実させていきたいなと思っています。
菅野:新入生が入るという事は、団体としてこれからさらに拡大していく予兆なのかなと思いますね。上級生が多くて、新入生が少ないとなると縮小していくしかないですから。新入生が多く入ってきた理由って、何だと思いますか?
岩瀬:毎年、ファッションショーを開催しているのですが、昨年はコロナの影響で観客を入れて開催する事が難しく、YouTubeやインスタでの配信を行いました。そういった媒体を見てくれた子達がたくさんいたんです。コロナで対面のイベントが少なかったからこそ、SNSの発信をキャッチしてくれる学生が多かったという印象ですね。
菅野:東京科学博物館はインパクトのありますね。一流ブランドがファッションショーやりそうな場所ですけど、どうやって借りたんですか?会場に直接電話?
岩瀬:私のいるプレスとは別でショーのディレクションをする部署があるので、会場手配はそこの部署が担当しています。
菅野:すごいですね!
岩瀬:ショーが私達の団体の存在意義みたいな物なので、強い思い入れがあります。そうでないと、毎年何の為に活動してきたのかわかりませんから。ショーを1年の最後に一番良い形として終えたいという気持ちでみんな活動してきています。
菅野:新入生が増えてきて団体自体が大きくなったり、相当な予算をかけてショーを開催されていますが、今後のビジョンは?
岩瀬:そうですね、ビジョンというよりは課題ですが、入団してくれた人数と最後まで残る人数というのに差があったりするんですよね。私の学年でいうと、コロナが影響したせいもあり、今までやってきた活動が出来ない事も多く発生したので、人数がかなり減り縮小してしまいました。今後もこの団体の方針に共感して活動し続けるメンバーが多く残ってくれれば、より良い作品やショーを作り続ける事が出来るので、人数を減らさないというのが課題かなと思っています。団体の規模感をどうしていくかについては、今のところ定まっていません。
菅野:どこもそうですよね。サブスクをやっても最初は良くてもお客さんが残り続けるというのは難しいですし
「サステナブル × ファッション」について
菅野:では、THAT’S FASHION WEEKENDについてはどう思いますか?学生視点でのアドバイスなどあれば頂ければなと!
岩瀬:私達学生にとっては、SHIPSやESTNATIONの服を見る機会があったとしても、それを何着も買えるような経済力の人は一握りなので、そういったブランドに触れる機会があまりないんです。先ほど菅野さんがお話しされていたように、若者の貧困化ではないですが、若い人は良い物に触れる事が少ないので、本イベントのように若い世代に向けてお手頃価格で良い物を提示してくれるというのは、大変ありがたいなと思います。また、企業からしても余剰在庫が少しは利益になるかもしれないという形になりますし、将来の顧客となる若い世代の興味を獲得出来る場にもなり得ます。これって企業と消費者双方にメリットがありますよね。Win-Winであるという事は継続出来るという事になるので、すごく良いイベントになるのではないかなと思います。
アパレル=販売員だけではない事への発信が欲しい
菅野:将来はファッション業界で仕事をしていこうと思っていますか?
岩瀬:そうですね、将来どこかの段階ではファッションに関わりたいなとは思っていますが、新卒でアパレル業界に就職する事はあまり考えていないです。正直、今大学で勉強している内容や学歴、4大卒を活かせるイメージがわいていなくて…。でも、今回のイベントで色々な方とお話しさせて頂いた際に、アパレル=販売員だけではなく、販売員以外にも様々なポジションがあるというお話を伺う事が出来たので、そういった情報が大学内でも出回る事がもっと多くなれば、学歴や大学卒を大事にしようと思っている大学生もアパレル業界に積極的に就職活動をするかもしれないなと思いました。
菅野:本当にそうですよね、勉強になりました!ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします!
Keio Fashion Creator
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THAT’S FASHION WEEKEND
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